御影屋

高須光聖がキク「高須光聖×武内絵美」 第7話

『ミュージックステーション』など、テレビ朝日の顔ともいうべき番組に次々と出演されてきた武内アナにインタビューしたのは2006年ごろのこと。ステキな居酒屋で、女子アナとして課せられる様々な番組への柔軟な対応や、アナウンサーの仕事の楽しさ、難しさについて楽しく語っていただきました。キーワードは「緊張感」。

インタビュー

第6話

2006.06

高須光聖がキク「高須光聖×武内絵美」

緊張をほぐすには?

高須

もう七年目にもなると。緊張することとかそんなにないやろ?

武内

緊張してばかりですよ!
番組と番組の間に放送している短いニュースなんて、今だにすごく緊張して
いますよ~。時間内に収まりきれなかったら、伝えている途中でそのままCMに行って
しまうので、放送事故です。いつも緊張しっぱなしです。

高須

原稿を見て「あ、これくらいだな」って、読むのにかかる時間が
だいたい分かったりするの?

武内

私はまだまだ未熟なので、原稿を見て、ストップウォッチで
「ここまで何秒…ここまで何秒…」という風に測ったりしていますが、
先輩のアナウンサーはパッと原稿を見て「これ、10秒くらい」と分かるそうです。
『スーパーJチャンネル』の坪井直樹アナウンサーは、
途中で入ってきた緊急のニュースでも、CMまでにバシッと終わるように
読むことが出来るんです。横に座っていてあまりのカッコよさに惚れ惚れ
してしまいます。

高須

それはすごいな…プロのなせる技やね。

武内

自分もいつかそうなることが出来るといいんですが。

高須

大丈夫だよ、武内は。がんばってればきっとなれるよ。
でも、常に緊張感がある仕事って、いいね。
俺はさすがにどんな現場でもそうそう緊張しないようになってしまった。
以外に放送業界って狭いから、もう一通りの人間と一緒に仕事してきたから
会議で緊張することとか無くなってきたなぁ

武内

私は緊張するたびに「この緊張で、確実に寿命が縮んでいる!!」と
思ったりしますよ。間違えたりすると、ものすごい勢いで心臓が
ドクン!とするんです。本当に怖いですよ。

高須

それはもう、常に生放送を強いられるアナウンサーならではの
感覚だろうなぁ。編集がきかない、「もう一回」が通用しない現場というか
言葉の捉え方一つでニュースの意味が変わってしまう。
ある意味、毎回命がけみたいなことやもんね。
そういう緊張をほぐすために、本番前に必ずやってることってあるの?

武内

とにかく何度も声に出して、原稿を繰り返し読むことですね。
それでなんとか自分で自分を落ち着かせます。
緊張するというのは自分に自身がない状態なので、
少しでも自信がつくように練習するのみですね。

私を、僕を支えるもの

高須

自分がやっていく上で、支えになったり自信になってることってある?

武内

うーん…自信になるようなこと…。

高須

俺は、松本人志が同級生で、今いっしょにラジオをやったりしてる。
あいつはすごくおもしろいわけ。出会った時からずっと。
あの男は本当に笑いの天才だと思うのよ。
そんな松本人志としゃべりながら、
俺は何十年も「あぁ、それおもろいな」って言ってもらえる
企画や話を出せている…だから俺はおもしろいんだ、大丈夫なんだって
思うようにしてるのよ。
それを支えのようにして、どこかへ企画のプレゼンに行ったり、
打ち合わせに行ったりして緊張するときに思い出すようにしてる。

武内

高須さんが一番緊張した相手って、どなたですか?

高須

……一番緊張したのはやっぱりたけしさんかなぁ。
たけしさんに実際にプレゼンに行ったりしたことは無いけど、
エレベーターから降りてくるところへすれ違って、
「おはようございますっ」って挨拶しただけで、ものすごく緊張した。
同じエレベーターなんて絶対乗れないって思ったね。大好きすぎて。

武内

たけしさんのどういうところが、そんなに魅力なんでしょう?

高須

やっぱり「人」かなぁ。人間性というか、器というか。
笑いがどうこうというより、あの人間性に惹かれるんだよね。
すばらしく好きだなぁ。
あと、久米さんもすごく緊張したなぁ。
自分のペースでぜんぜんしゃべれなかったのを、すごくよく覚えてる。

武内

この仕事をしていると、様々な分野のトップの方々に
お会いする機会に恵まれるんですけど、なかなかそういった方と上手に会話
することができなくて、落ち込んだりもしますね。

高須

そんなもんだって。あとはもう、思い込むしかないよ。
「大丈夫」って思うしかないのよ。

第7話へつづく

アナウンサー

武内絵美 さん

1999年にテレビ朝日に入社し、
「愛のエプロン」「ミュージックステーション」や
アテネ・トリノなど夏冬4回の五輪中継に携わる。
2004年の「報道ステーション」番組開始からスポーツコーナーを担当し、
現在は報道フィールドリポーターとして取材をしている。

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