『電波少年』『ザ!鉄腕!DASH!!』など、ヒット番組に次々携わる田中さんは、高須さんいわく「理論派の放送作家」。田舎で育った経験から生まれた「DASH村」、ヒットを確信した瞬間は○がおりた時!? 幼い頃に見てきた原風景から導き出されるバラエティ企画のリアルな落としどころについての話など、ヒットの秘密がたくさんわかる話が目白押しの回です。
インタビュー
第7話
2007.09これからチャレンジしたいこと
高須
『鉄腕DASH!!』は田中くんのカラーというか、
血が注がれてる感があるねんけど、他にやってみたいことはないの?
クダらんことも好きやんか。
田中
大好きですね(笑)。
具体的ではないですけど、テリー伊藤さんって、ネタを見たときに
どこからその企画が出てきたのかが分かるネタを面白がらないんですよ。
だから、「なんでお前はこういうネタが思い付くんだ?」っていうのが
僕らにとって一番の褒め言葉だったんで、
今でもやっぱり出どころがわからないネタや番組を作りたい
っていう思いがありますね。
流行に乗ってるわけでもなくて、大物タレントや売れてるタレントを
使ってるわけでもなくて、なんでこんなネタが出てきたんだっていう
番組を作りたいなと。
高須
なるほどね。分かる分かる。
でも基本、原風景で見てきたことになってくるよね。
やっぱりそこやねんな~。
田中
どんどん戻りますよね。
高須
やっぱり、自分が見て育ってきたことからしか作られへんねん。
田中
僕、二ヶ月に一度くらい幼馴染みたちと飲むんですよ。
15歳くらいからまったく成長してないような集まりなんですけど、
東京に出てきてる奴が多いんで。これは上京してからずっと続いてますね。
そこに行くと懐かしがるというよりも、若返る感じがするんですよ(笑)。
高須
そのメンバーで温泉にもよう行ってるって言ってたよね。
田中
行きますね。そのメンバーに限らず、温泉にはよく行きますけど。
高須
そういや、田中くんはかなりの温泉好きやって誰かに聞いたな~。
田中
この1年くらいちょっと遠ざかってますけど、
ある4、5年くらいの間はものすごくよく行ってましたね。
宿だけ決めておいて、時間も決めずに連絡取り合って集まって。
で、みんな集まったら21時くらいから露天風呂入って、
近くのスナックに遊びに行くっていう(笑)。
高須
変わってるな~。田中くんってやっぱり不思議やねん。
こんな顔して、こんなこと言うねんもん。
で、人に流されへんタイプやろ。例えば、この業界やったら、
車とかもすぐベンツのゲレンデバーゲンとか高級車に乗ったりするやん、みんな。
でもずっと、国産の四駆に乗ってるやろ?
それがあかんとかいいとかじゃなくて、"らしい"ねん。
ず~っとこのキャラクターやもんね。
田中
幼馴染みには幼稚園から変わってないって言われますね(笑)。
高須
分かるわ。こんな子やったんやろうなって感じやわ。
田中
でも、僕はかつてのロコモーションのメンバーの中でも
一番まともだって言われてますから。
高須
いやいやいや。まともじゃないでしょ、どう見ても変わってるよ。
なんやったら一番変わってると思う、実はね(笑)。
田中
そんなことないですって(笑)。あとね、番組じゃないんですけど、
最近漫才とか落語に触れる機会が多いので落語を書きたいんですよ。
多分、高須さんもそうだと思うんですけど、
自分たちが書いた台本をそのままやられると恥ずかしいじゃないですか、
その場にいられないくらい。
コントもそうだし、バラエティのスタジオ用のネタもそうですけど、
そのままの展開でやられるとなぜか本当に恥ずかしいんですよね。
だから、敢えてその逆の発想でやってみたいなって。
落語だったらそのままやりますから。
高須
勉強とかしたりしてるの?
田中
寄席を見に行ってますね。ところが決してすべてが面白くはないんですよ。
なんで、あの場でまんまと笑いをとれるといいなって。
高須
それ、瓶師匠も言うてたな~。
面白い落語も少ないから頑張らなあかんし、寝さしたらあかんと。
樋口くんも落語書きたいって言うてたな。そうなってくんのかね。
田中
映画に行く人、芝居、小説、いろいろ分かれますよね。
仕事とはまったく別の意識で何かに取り組むパターン。
ただし話が来ないとチャンスは無いんで。
高須
なるほどね。
田中
テレビ以外の仕事の話って殆ど来ないですけど、
1から10まで全部自分でやったときにどうなるのかな
っていうことには興味ありますよね。
高須
全部自分やもんね。
第8話へつづく
放送作家
田中直人 さん
1964(昭和39)青森県木造町(現・つがる市)生まれ。
青山学院大学3年在学中より伊藤輝夫(現・テリー伊藤)の下で放送作家に。
初めての番組『コムサデとんねるず』(フジ)
好きなもの:猫・温泉・演劇・ラグビー・アーモンド・辛くないカレー