高須

いつからこの業界入ったんですか？

タカハタ

僕は大学のときになんとなく、日銭が入るアルバイトを探していて、
製作会社みたいなところになんとなく入った時にはもう抜けられなくなって。

高須

それが大学時代。じゃあもう20年……。

タカハタ

そうなりますね、なんだかんだで。

高須

そこで最初についた番組、なんですか？

タカハタ

テリーさんが当時、テレビ東京でやっていた特番にいきなり配属されて。
僕はマジメに学校にも行きたかったんですけど、そんな世界でないことに気付き…。

高須

これはいかんぞ、と。

タカハタ

いかんぞ、というか、やっぱり当時も製作会社って、
ゴミ雑巾のように働かされるじゃないですか。
次々と辞めていく中で、僕はちょっと責任感が強かったんですよ。
僕が辞めると、明後日の本番が大変なことになる、とか思って。

高須

あ～……キッチリしいでしょ？

タカハタ

そうでもないですけどねぇ。

高須

でも、意外とこだわるでしょ？

タカハタ

飽き性なところはあるんですけど、やっぱり無責任なことはあんまり好きじゃなくて。

高須

その責任感の強いタカハタさんがやってきた番組はテリーさんと一緒だったんですね。

タカハタ

そうですね。

高須

何年くらいやってたんですか？　もうずーっとですか？

タカハタ

いやいや、XX年（8？年？）くらいで『元気が出るテレビ』が始まるんですけど、
テリーさんが初めてのメジャー・民放のゴールデンで
吐くくらいのプレッシャーを感じていた頃なんですね。
僕もそのスタッフに入れられて、一年目は全然それ以上のことを
やらされたというか、勉強させてもらったというか。
そこで『元テレ』に2年弱くらいいたのかな…。

高須

そこでは何撮ってたんですか？

タカハタ

僕のDデビューは「失恋バスツアー」ですね。

高須

あぁ～！　いいですね、そのデビューは素晴らしいじゃないですか。
いきなりメジャーデビューって感じしますよ。

タカハタ

いやいやいや（笑）。でもね僕はたぶん唯一、伊藤さんに殴られてないの。

高須

なおも素っ晴らしいじゃないですか（笑）！

タカハタ

ただその中間にいた先輩には結構ボコボコにされてたんですけどね。

高須

僕が会ったときは全然ね、そういうイメージなかったんですけどね。
昔は激しかったんでしょうね。

タカハタ

そうですね（笑）。『元テレ』で、その製作会社の諸先輩を見てるわけですよ。
この会社に5年いたらこんな風になるのかな、って思うじゃないですか。
30過ぎたらこんな風になるのか、なんか貧乏そうだなって。
で、クリエイターみたいな人はやっぱり会社員じゃいけないんだなって
そのときに気付いちゃって。

高須

え、でもそれ20代でしょ？

タカハタ

20代前半ですね。で、辞めますって言って……。
「ロコモーションに来いよ～」とも言われたんですけど、
「やーすみません、ちょっと自分でやりたいんです」って。
でもね、20代前半の小僧がそんなに簡単に一人で泳げる世界でもないので。

高須

そんなに仕事が入るわけでもなく。

タカハタ

そうそう。だから当時、その日本テレビの加藤さんに可愛がってもらってたので、
「特番手伝いなさい」とか言われて、ちょっと加わって、
…何もしなかったんですけど。行くだけ行ってお小遣いもらったりとか。
でもそれから2、3年仕事なかったんですよ。何で食ってたんだろ（笑）？

高須

何で食ってたんすか？それ。

タカハタ

なんでしょうね。フラフラしてたのかなぁ。

高須

ちょこちょこは小遣いがてらの何かをやってたんですかね、ロケとか。

タカハタ

テリーさんがロコモーションを作ったんで、会社のVTR作ってくれみたいなのとかね。
なんかそんなんで。

高須

音楽系のPVを撮ったりはしなかったんですか？

タカハタ

それはその後なんですよ。
20代前半に食えない時期があって、20代後半にWOWOWが開局するんですよ。
そこになぜか呼ばれて、それから音楽ドキュメンタリーとかライブを撮り始めたんです。
で、フジテレビの編成の河合さんと出会って、深夜の企画をやるようになって……
当時は若手の製作者を育ててくれるいろんな深夜番組がありましたよねぇ。

高須

はいはい。

タカハタ

河合さんに「何かやんなよ」って言われて。

高須

何やったんすか？

タカハタ

最初はギター番組です。ギターバラエティと称してたんですけど（笑）。
「寺内ヘンドリックス」っていう。

高須

あ～、なんかタイトル聞いたことあるなぁ。そうか、あの時期かぁ。