御影屋

高須光聖がキク「高須光聖×杉崎美香」 第3話

明け方まで仕事をすることも多い業界では、寝る前の早朝番組『めざにゅ〜』で杉崎さんの「これからおやすみになる方も〜」のやさしいボイスを忘れがたい人も多いのでは? 取材のこの日も朝が早い杉崎さんの生活スタイルに合わせて、少し早めの時間からワインを飲みつつ語らいました。愛するラジオのお話や、鼻歌交じりの音楽トーク、早朝番組の苦労話など。
取材・文/竹村真奈

インタビュー

第2話

2006.04

ラジオとの出会い

高須

家族は、みんな仲いいんじゃない?

杉崎

仲いいですね。

高須

仲がいいのがまず原因なのよ。俺も家好きやねんけど。

杉崎

そうなんですか(笑)?

高須

でも思秋期の頃は外好きやったなぁ。
男だから、親が嫌になるときあるからさ。
俺ね、小さい頃、おじいちゃんとおばあちゃんに預けられてたから、
おばあちゃんっ子やったんやけど、たま~に家に帰ると
親がめっちゃ可愛がってくれるのね。

杉崎

可愛いですね(笑)。

高須

それも、大人になってくるとうっとおしいんだけどさ(笑)。
親がうっとおしくなる前の小学校くらいまではすごい家好きやったんやけど、
そうすると学校の友達より、弟とか近所のおじさんと遊んでばっか。
そんな感じやない?

杉崎

ホント、そんな感じです。決まった友達と遊ぶけど、
そんな広くはなかったですね。でもなぜか、人には
「友達多いよね~」って言われてました。

高須

モテた?ピークがあるじゃん、「あの頃モテたな~」みたいな。
もちろん今もそうだろうけどさ。

杉崎

いやいや、全然ないです!でも、小学校の時にクラスの男の子たちが
私のことを想ってくれていた時期があって、それで女の子たちに無視されたことは
ありましたね。それがほんとに嫌で、それで口が悪くなったんですよ。
男っぽくしていれば女の子たちに恨まれないので。

高須

あ~なるほどな。

杉崎

その頃からすごいサバサバしだしましたね。

高須

そこから始まったんや~。
それまで全然違う性格やったんやもんな、上手くしゃべられへんし。
でも、やっぱりモテたいじゃない。好かれるのは嬉しいやろ?

杉崎

どうでもよかったですね、そのときは。

高須

女の子たちの嫉妬の方が嫌だった?

杉崎

嫌だった、もうほんっとに嫌だった。すごく仲良かった子も、
自分の好きな男の子が私のことを想ってくれてるって分かってから
態度が変わっちゃって、それがもうショックで。

高須

可愛い子はそうされんのよね。モテる人ってなんとなく
友達からするとうざかったり、男に愛想いい感じに見える子やったりするやんか。

杉崎

そうなんですよ。だから、もう誰に対しても分け隔てなく
サバサバと喋るようになりました。

高須

それでトラウマになって、この人が好きなのに他の子にも
気配りしなきゃならなくて、誰が好きかもわからんようになることない?

杉崎

あります!(即答)

高須

でしょう。俺もあるわ~。ほんとは気に入ってる子がおんねんけど、
その子にばっかり話しかけすぎると「その子にばっかり話しかけすぎ」って
みんな思ってるんやないか?って変に気にしだして、なぜかそれを
ネタにして別の子にばっかり話しかけてまうのよ(笑)。
で、その気に入ってる子が
誰か別の男と喋ってたら「あ~もう喋んなよ!」って思うんだけど、
自分が喋ってて「あー長い!」と思うと
また誰か別のところにいってしまう…っていう。

杉崎

人の目とか、すごい気になりますよね。
「あ、この人今こう思ってるな」とか、
恋愛の面だけじゃなくて……すごい見ちゃいますね。

高須

意外とそれで当たっちゃう方?

杉崎

全部当たりますね。すっごい当たります。ちょっとでも私のことを
「あ、コイツなんかちょっとやだ」って思っていたらすぐに分かります。
逆にちょっとでもいいなって思ってくれてると、女の子でもすごい嬉しい(笑)。
人がどう見てるかにすごく敏感なんですよね。

高須

そんな敏感やったらこれまで結構傷ついてきたんやない?

杉崎

そうですね。それで、家ですごく沈んでいたこともあって…
そんなときにラジオに助けられたんですよ。

高須

なるほどな。そこでさっきの話に繋がるわけや。
ラジオはどんなん聴いてたの?

杉崎

番組名は覚えてないんですけど、パーソナリティーの女性が
いろんなお悩み相談に答えながら曲を流していくっていう
普通の番組だったんですね。でも、私にとってはその普通の番組が自分の中に
自然に入ってきたというか。その答えが自分にも通じるような気がして…
そこでかかるような曲もまたすごくマッチしてたりして(笑)。

高須

その頃かかってた曲では、どんなんが好きだったの?
ラジオで流れてきて、「あ、この曲自分の気持ちにピッタリだ!ハマる!」って
いうのもあったでしょ?

杉崎

ありましたねぇ。小・中学校の頃かな。
今パッと思い出したのが、ライオネル・リッチーの『オネスティ』かな。

高須

カッコええなぁ~(笑)。

杉崎

(笑)邦楽だとsionさんの『Sorrybaby』とか。

高須

渋いなぁ。それ普通出てこないよ?小学生で(笑)。

杉崎

もっとポップなところでいくとスピッツとか。
『君が思い出になる前に』は普通に入ってきましたね。
あと、ローランの『明日が輝く場所へ』とか。

高須

未来を想う曲が好きなんや(笑)。一番最初に買ったCDは?

杉崎

ジャネット・ケイの『Lovin'You』です。

高須

意外と洋楽好きなんやなぁ。

杉崎

今も大好きなんですけど、ラジオをきっかけにちょこちょこ入っていった感じですね。

高須

早いね、小学校のうちから。

杉崎

でも、詳しくはなかったですよ。

高須

俺、横文字言われても覚えられへんからさ。

杉崎

そうそう、だから私もメモってたんですよ。
「あ、この曲……うぅっ」って泣きながらメモってました(笑)。

高須

「いいわぁ~」って言いながらメモとんねや(笑)!

杉崎

そうです(笑)。あと、KANさんも聴いてましたね。
邦楽で一番初めに買ったCDがKANさんだったんですよ。
確か小学6年生くらいで初めてCDプレーヤーを買ってもらって。

高須

『愛は勝つ』をラジオで聴いた、と。

杉崎

『愛は勝つ』だったかな~、なんか他の曲だった気がするんですけど。
思い出せないんですけど(笑)、なんか切ない曲があるんですよ。

高須

どういう世界観が好きやったん?

杉崎

切ない感じの旋律に弱いですね。例えば、サザンだったら
『切ない胸に風が吹いてた』って曲とか。

高須

どんな曲?

杉崎

せつなーいむねにかぜがふーいてたタタタタ~♪(歌う)

高須

いやいやいや~、鼻歌なのに上手いよ。

杉崎

う~ん。

高須

嫌やん、そんなの。ちょっと気取ってんちゃう?とか。

杉崎

(笑)あと、レッチリだと『スカーティッシュ』とか、
ちょっとテクノ系の曲も好きです。
レッチリは大好きでライブにも行ってましたね。
あ、そうだ。こないだゆずのライブにも行きました。

高須

好みの幅が広いな~。すごくない?

杉崎

確かにそのときそのときの自分によって違いますね……
でも、きっとどこかに共通する何かがあるんだと思います。

高須

どんなところに刺激されるんやろ。

杉崎

例えば、遠くに地平線が見えて、まっすぐの道を車で
走るときに合いそうな、哀愁漂う系の気持ちいい曲とか……。

高須

なにもない道をずーっと走ってる時に聴くような曲か。

杉崎

そうですね。
どこか暑い国でモヤがかかっていて蜃気楼が出ている感じ。
砂埃なのか蜃気楼なのかちょっとわからないような、ちょっとモヤがかってるような……

高須

……そんなところを走る車の中でかかってるような曲にひかれちゃうんだ。

杉崎

そうですね(笑)。

第3話へつづく

アナウンサー

杉崎美香 さん

身長158cm。出身地 大分県。出身校 山口大学 人文学部言語文化学科。
略歴:2001年信越放送にアナウンサーとして入社。テレビ・ラジオ番組で活躍。その後フリーランスに。星座さそり座担当番組めざにゅ~(フジテレビ)

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