『マネーの虎』を大ヒットさせ、今も続く名企画「ゴチになります」などで作家としての地位を確固たるものにした堀江さん。後輩として恐縮しつつも、『マネーの虎』のヒット要因や、ナインティナインに対する想いなどを熱く語っていただきました。居並ぶ先輩作家の厚い壁をぶち抜いた瞬間とは……?
インタビュー
第3話
2002.07高須
放送作家としての、仕事での挫折ってあったの?
堀江
20代の頃は挫折感でいっぱいでしたよ。
自分はテレビ業界に必要のない人間なんじゃないかなぁって
いつも思ってました。
高須
えー、ほんとに?
堀江
やること全てに芯を食ってないというか、空回りしてるというか。
仕事にこれといった手応えのないまま、年ばっか食っちゃって。
「自分が何者でもない」ことにすごく焦ってました。
『ぐるぐるナインティナイン』で「ゴチになります!」を
始めた頃ぐらいでしょうか、なんとなく先が見え出したのは。
高須
あ、そうか。「ゴチ」も堀江発や。
これまたねぇ、岩盤に対してガツーン! とヒビを入れたわけで(笑)。
堀江
いやいやいやいや……(笑)。
高須
そーたにくんが「ゴチは堀江の出世作ですよ」って
言ってたような覚えがあるよ。
堀江
はい、高須さんからそれを聞いた時すごく嬉しかったです。
仕事に対して厳しい方ですから。
高須
いや、あれっ? 都築くんだったかなぁ。
堀江
どっちですか?(笑)
高須
あ、思いだした、そーたにくんやわ。
あのコーナーがなかったら「ぐるナイ」ってひょっとしたら
番組の寿命が終わってたかもしれなかったんじゃない?
堀江
確かに視聴率的に厳しい時期に出した企画でした。
あと、世の中的に「体罰」とかにうるさい時期でしたので、
「精神的な罰ゲーム」として"自腹"というの試そうとも思いました。
高須
すごいカンフル剤だったと思うなぁ。
堀江
あの、今日ずっと言おうと思ってたんですけど。
以前、高須さんが片岡飛鳥さんと対談された回を読ませて頂いたんですが、
その中で「ゴチ」に関して触れてる部分があって……。
高須
俺、どんな話してたっけ?
堀江
「ゴチ」はよくできたソフトだと誉めて頂いた上で……。
「ゴールデンタイムの7時台には魔物が棲んでるので、
ナイナイをああいう使い方するのは致し方ない」
みたいなニュアンスのコメントを。
僕の勝手な解釈かもしれませんが、
片岡さんの秘蔵っ子である芸人・岡村隆史の使い方について、
高須さんはかばってくれたというか……僕は気持ちがすごく救われました。
高須
俺、結構堀江を救ってんじゃん!(笑)
堀江
いや、ホントに救われてますよ。今日はそれを伝えに来たような
ものですから(笑)。
高須
そういうこと、もっと外で言ってっちゃっていいからね~(笑)。
堀江
僕の中で「ゴチ」に関しては、どこか後ろめたさがあったんですよ。
数字を取っても、それをナイナイにやらせてしまってる後ろめたさが
どこかにすごくありますから。
高須
あぁ、なるほどなぁ……。
だけど、それは仕方のないことでもあるでしょう。
だって、こだわりだけで突き進んでいって後ろめたくないものしか
やらないっていう芸人に、テレビを生き抜く道があるかっていうと、
それはすごく難しいよ。
まずは生命を維持していかなくちゃ、死んでしまったらこだわりも思想も
意味がないわけだから。
そこは、ある意味「救った」と思っててもいいんじゃないかなぁ。
芸人にとってのスタッフっていうのは、そういう「生命線」でもあると
俺なんかは思うけどな。
堀江
難しいですよね、テレビと芸人っていうのは。
高須
せめぎ合いなんよなぁ。
番組自体がなくなってしまってはどうしようもない、とも思うしね。
笑いだけをやっていたいという情熱も分かるだけに、
辛いことを強いてしまってるとは思うけど。
高須
今、何をしていて一番おもしろい?
こういう質問は変だけど、放送作家っていう職業の僕らにとって
「おもしろい」ってすごい大切やったりするやん。
俺、最近プライベートがおもしろい事ないのよ。
何がおもしろいかなぁ、と思って。
堀江
僕も趣味がないんですよ。
高須
放送作家って誰も趣味がなかったりするやん。これってどういうことなの?
放送作家って、仕事が趣味なんだよね。
あるとしても、趣味って言う程の趣味じゃない、て場合が多い。
堀江
皆さん、ふだん休日とかって何をされてるんでしょうね(笑)。
気になるんですけど、改まって聞くのも変ですしね。
高須
結局、小さい頃からテレビが趣味やったんちゃうかな。
「今テレビに出ているあの人がおもしろいっ」とか、
「今ヒットしている番組は、これこれこういうことでおもしろい」とか
そんなことばっかり考えてた連中が、作家になってるんだと思う。
で、日常の多くをそういう会話とか感覚で過ごしてきて、
それを仕事にしてしまったわけだから、いきなり「無い」のよ。
趣味が仕事に切り替わってしまって、それっきりになってしまった。
堀江
ある意味、幸せな職業ですし、ある意味、哀しい職業ですね。
僕も旅行が趣味といいながら、そんなに行ってるわけじゃないですし。
高須
俺も一応、趣味「旅行」ってことにしてるけど、そんなには、ねぇ(笑)。
そんなに外にばっかり出ていたいわけじゃないし。
薫ちゃん(小山薫堂さん)は食べ歩きでしょ。といっても、
それが仕事になってるしね。
そーたにくんが映画が好きって言ってるけど、んー。
堀江
あっ、話それちゃいますが……
以前、仕事の合間にたまたま時間が出来たので、渋谷の映画館に
一人で行ったんです。
チケット買おうとしたら、後ろからいきなり「何やってんだよっ!」って
声が聞こえて、振り返ったらそーたにさんで(笑)。
高須
うわー、振り返って、あの顔はインパクトあるなぁ(笑)。
堀江
「お前ひとり? 俺もひとり。じゃあ、一緒に観ようっ」って話になりまして。
怖かったですから、言われるがままに中に入って…
そーたにさんの隣に座ろうとしたら、
「なんで隣なんだよ。男同士が隣で見るわけないだろ。
一緒に観るったってそういう意味じゃない!」って言われて、
こわ~と思って、離れた席を探しました。
高須
俺は、だいぶ前の事になるけど、当時の彼女と一緒にオールナイトの映画を
見に行ったんよ。結構人気の映画で、階段にずらーっと並んでたんやけど、
2人であれやこれや喋りながら、ふっと階段の下の方に目をやったら、
ちょっと坊主頭の脳天がちらっと見えたんよ(笑)。
「あれっ」と思ったよね。「あんな感じの髪型はそうはいないよなぁ」と
思って、ひょっとしたらそーたにくんかなぁ、とも思ったんだけど
まぁいいか、と思ってそのまままた2人で喋ってたのよ。
で、なんかのタイミングでまた下の方をちらっと見たら、
明らかにそーたにくんと目が合ったのに、人込みの中に
ひょいっと隠れるのよ(笑)。
堀江
その画……容易に想像できます(笑)。
高須
スルスルスル~っと人の背中に引っ込んでいく海坊主みたいなのを見て、
どう考えたってそーたにくんや、と。
堀江
いろいろと気を遣ったんでしょうね。
それは同じ回の上映の列だったのですか?
高須
そうそう。さすがにちらっと挨拶したぐらいで、
一緒に見ましょう、とはならんかったけどね。
こうしてたら、そーたにくんの話だけで何時間もしゃべってまうなぁ。
堀江
あまり余計なこと言ってると僕もあとで怒られそうです。
おっかない方ですから(笑)。
高須
さあ、話を戻さないと。楽しいだけではダメだからね(笑)。
高須
俺、やっぱり若い時、大阪にいて仕事をしてた頃は
ロコモーションの作家ってすごく意識してたなぁ……。
土屋さんが「ガキ」の編成でずっと収録に来てた時に、いつも言ってたなぁ。
「ロコモーションの作家はいいよー」って。
堀江
そうなんですか。
高須
この「御影湯」で、都築くんと対談したときに話したんだけど、
『生生生生ダウンタウン』の時に俺は
「ロコモーションの作家と仕事がしたい」って当時のプロデューサーに
言ったら、テリーさんに「それは頭脳流出になるから」って
断られてしまったって言ってたなぁ。
堀江
頭脳流出……すごいですね。
伊藤さんの中で「純粋培養した放送作家」という意識があったんでしょうね。
それにしても、頭脳流出ってすごい言葉ですね。強い愛情も感じます。
高須
だから、ロコモーションの作家のみんなと仕事ができたのは
『炎のチャレンジャー』と『桜吹雪は知っている』だけ。
喋る機会もなかったし。
堀江
お互いに相当の本数を抱えながら、それだけの接点というのは意外ですね。
僕から見て、もっと密な関係だと思ってましたが。
高須
だから、おちくんが俺を結婚式に呼んでくれたのも、
少し不思議な感覚があったかな。
確かに急激に一緒の仕事が増えて、深く関わってた時期ではあったけど、
「俺が来ちゃっていいのかな」って思いがあったもんね。
それだけ深くロコモーションの作家ってことを、
俺が意識してたってことでもあるんだろうけど。
堀江
なかなか不思議な相関図がありますよね、作家同士にも。
高須
そうだね。でも、お互いに刺激しあって高められた、鍛えられた
脳みその筋肉もあるような気がしない?
別に作家、芸能人に限らず、
世間一般、どこの世界でもきっとそうなんだろうけど。
堀江
それはきっとそうでしょうね。
意識しあえなかったら、ライバル意識とかを乗り越えていく
ものも生まれなかったでしょうし。
それがお互いに高いステージでの意識だったから尚更でしょうね。
高須
堀江が岩盤を破るようなこともなかったかもしれんしねぇ……うんうん。
堀江
またそこにつながるんですか~~(笑)
高須
さて、このページを見て、放送作家になりたいと思ってる人達に
何か、堀江先生からメッセージなどお願いしたいな(笑)。
堀江
メッセージですか? うーん…何も考えてきませんでした…うーん。
高須
これは楽しみだなぁ。堀江先生はなんとおっしゃるのかなぁ~。
堀江
うっく……(苦笑)。
これから、放送作家を目指す人達へ、ですか。
高須
そうだね、後は加えて「これからのテレビに期待すること」を聞きたいな。
最後にかっこいいこと、ガツーンっと!
堀江
あら、まあ(笑)。
高須
あらまぁ、て(笑)。このへんでガツーンと言っておかないと、
中野くんみたいに後悔することになるよー。
堀江
えっ? 中野さんは何を後悔したんですか?
高須
いや、中野くんにはこの「御影湯」に最初に登場してもらったんだけど、
最初なだけに俺らもどういう主旨のコーナーとして攻めていこうか、
ほとんど手探りだったのよ。
そんな中で二人して、おしゃれなカフェなんかセッティングしちゃって
ゆる~く喋ってしまったもんだから、
その後に登場してきた作家たちと比べられて、とても恥ずかしい、と。
だから、もう一度リベンジを! ってお願いされてるわけ(笑)。
堀江
僕、今回この対談のお話がきて、一応過去の方々のを読まさせて
頂きましたが…そういや中野さんのは読み忘れたような気がします。
高須
中野くん、かわいそーっ(笑)。
堀江
今って、また放送作家という職業が注目されつつあるじゃないですか。
高須
うんうん。
堀江
職業として世間の目が集まる中で、
日テレの「トキワ荘」ではないですが、その窓口というか、
放送作家への入り口が増えていくんじゃないでしょうか。
僕が言うのもおこがましいですが、
伊藤さんが「元気」で放送作家予備校を作られたように、
集団でごそっと集めて、シビアで現実的な指導者のもとで
選りすぐられていく、そんな波がもう一度起きるのかなぁなんて、
ぼんやりと思ってます。
僕は「元気」の放送作家予備校出身ではありませんが、
単純に、そのような集団で英才教育を受ける環境を
すごくうらやましく思ってましたし。
高須さんはどう思われます?
高須
俺は、そこにはやっぱりカリスマ性を持ったタレントと、
カリスマ性のあるディレクターとが必要だと思うんだよね。
作家だけでは崩れて終わってしまうと思う。
このタレントを使いたい!このタレントとおもしろいものが作りたい!って
命を懸けているディレクターが、タレントとセットでいないことには
多分、作家はダメになっていくと思う。
すごく密で、キツくて、激しくて、闘ってる空気は大事。
そういう空気を吸っていないと現場を舐めてかかるようになるだろうし、
作るものに血が通ってないノみたいになるんじゃないかな。
理解はするんだけど、空気が読めなくて、いざとなると台本も書けない。
カリスマの演者がいて、その現場を見ればそれだけで気持ちが昂ぶるし、
それをなんとかして活かす編集をしようとするディレクターがいれば、
否が応でも刺激されていくよね。
堀江
たけしさんがいて、テリーさんがいて……たしかに究極の現場ですね。
ロコモーションには他の作家事務所では体感できない
熱い温度があったんですね。
高須
そう、だから「トキワ荘」もこれから、そういう要素を経験できるかどうか、
だと思うな。
一生懸命な現場を知っているかどうかで、その後の体感温度が変わってくる。
熱い空気を最初に知ってるから
「おい、それはぬるすぎるよ。もっと一生懸命やらなくちゃダメだよ」
って言える自分になれるじゃない?
演者とディレクターと作家、この三点の絡み合いがないと、
なかなか難しいと思うんだよね。
堀江
僕が放送作家になって最初に熱い温度を感じたのは、
『ビートたけしのお笑いウルトラクイズ』のロケ現場でした。
たけしさんがいて、一つの笑いをとるのに緻密なスタンバイがあって、
とにかく、スタッフ全体の、絶対にしくじれない緊張感を肌で感じました。
高須
俺は松本人志を見ていて
「あぁ、すげぇな。こいつは天才だなぁ」と思ってたんよ。
『ごっつ』やってる時に、松本とよく言ってたのは
「裏の『元気が出るテレビ』をつぶすんだ」って。
堀江
バラエティ番組として『元気』と『ごっつ』はタイプも全然違うだけに、
いろんな意味で刺激的な裏表でしたね。
高須
あの番組の根底には「アンチ元気」のパワーがあったと思うのよ。
だから、裏が終わるって知った時には二人で本当に喜んだし、
松本人志vsビートたけしという図式が、当時の俺には少なからずあったから、
とにかく嬉しかった。
10年後にもおもしろいと思ってもらえるコントを作ろうって必死だったしね。
志を高く掲げよう、という番組だった。
その時分は、ロコモーションに敵対意識すごく持ってたなぁ。
松本という才能を認めた上での「頑張らなくちゃ」っていう意識と、
「元気」っていうソフト、それを生み出す人達を認めた上での
「頑張らなくちゃ」っていう意識。
この2つは俺の中ではすごくすごく大きかった。
負けないだけのおもしろいものを生み出さなくちゃ、と思ったし、
闘いながら苦しかったけど、それが勝ったとか負けたじゃなくて、
自分自身にとって、すごく良かったんだなぁ、と思う。
堀江
僕も「元気」をやっていて、裏の『ごっつ』からは
すごくジリジリと迫りくるものを感じてました。
「元気」のスタッフ全員がきっと感じてたと思います。
高須
そういう温度があったんだよね、あの頃のテレビにはさ…。
高須
さあ、これからのテレビに何を望む? 何を期待する? 何を作っていく?
堀江
なんとなくですが、全部「リセット」したいです。
気持ちの上でテレビというもの全部をリセットして、
更地になった所で新しい家を建てていきたいなぁ、なんて思うことがあります。
玉石混交としているテレビ界で、いまウケている番組を分析したり、
次に何がくるかこれまでの流れを読んだり、
それはサービス業としては必要なんでしょうけど……。
なんか妙な知恵がついちゃってるのがイヤになります。
だから、これからは通り魔のように突然襲いかかるような、
視聴者の不意をつくような新しいものを作っていきたいです。
やはり、自分の感性を見せたくて、この世界に飛び込んだわけですから。
高須
どこに行ってもさ、なんというか「合わせる会議」をしちゃったりするやん。
あるべき安全な形に沿うようなものばかりを「探す」会議になっていて、
全てをぶち壊して新しいものを「生み出す」会議にはならないじゃない?
数字を取るために、取るために動く。
いつの間にか、自分もそこへ行ってしまっていて
「あぁ~、言っちゃってるよ、俺~」っていう瞬間もあるよね。
堀江
立場的なものあるとは思うんですが……周りの空気に合わせてる
瞬間って、ちょっと哀しくなりますよね。
高須
プロデューサーからディレクターから、作家から。
全ての人間がそれを言い出したりしてるからね、今。
堀江
気をつけないと。
なんか、浸かっちゃってる感じはいやですもんね。
堀江
今、深夜でやってる『マスクマン!』っていう番組が
やりたいことをやれてる感じで、楽しいですね。
高須
やっぱり深夜になっちゃうかぁ。
そーたにくんが言ってたなぁ。
「深夜で好きなことをやらせてもらうのがごほうびみたいになってる」って。
それを聞いた中野くんは
「それは恵まれた人の余裕の意見であって、
そこの深夜帯で頑張ってる人は、そんなこと言ってられないんですよ」
と言ったんやって。それで、そーたにくんは愕然としたって言ってた。
若手の作家にしてみたら
「お前たちはゴールデンに番組があるから、
そんな悠長なことが言えるんだよ。
ゴールデン無い人間は深夜で食っていくのに必死なんだよ!」って
中野くんも、どこかの別の作家の若手に言われたって言ってたかな。
そう言われちゃうと、ぐうの音も出ないって思ったなぁ。
「金なんか要らないから、好きなことやらしてくれよ」なんて言ってると
「甘えたこというな!」って(苦笑)。
堀江
なるほど。身につまされますね。
それにしても、何か可能性ってないんですかねえ?
高須
いや、あると信じたいけどなぁ。
テレビってどうなっちゃうんだろう。
土屋さんは「テレビはお年寄りが見ていくものになる」って。
数字取るために、おばあちゃんやおじいちゃんに合わせて
番組を作るしかなくなっていく。
だって、日本国民の割合がそうなっていくんだから。
堀江
そうですねぇ。
高須
テレビ、もう一回変わるとは思うけど、とは言ってたなぁ、土屋さん。
地上波とCSとで住み分けができていくんだろうね。
堀江
もうテレビに対するありがたみって、本当に薄れてしまったんでしょうか。
高須
薄れてると思うなぁ。ていうか、無くなってるんじゃないの?
今は素人もばんばんテレビに出てるから、
「俺テレビに出るんだよ~」って言ったって
「へぇ」ぐらいだしね(笑)。
昔は「すげぇっ!!」ってリアクションがあったじゃない?
それもなくなってしまったよね。
ありがたみ、なくなってしまったなぁ~。
テレビ以外の娯楽が増えてしまって、見なくても済むからね、テレビ。
……って、あれっ、こんな哀しいことで終わっちゃっていいの?(笑)
堀江
いや、まずいなぁと思って高須さんのお話聞いてました(苦笑)。
高須
おい、なんか言ってくれ、若きテレビの虎よ(笑)。
夢のあることを言って、最後しめてよ。
堀江
うーん、そうですねぇ。
僕はテレビにそんなに悲観してませんよ。
甘い考えかもしれませんが、どんなに娯楽が増えても、
テレビはある程度つけっぱなしの状態だと思うんですよ。
つけっぱなしというのも切ないもんがありますが…
ただ、それほどクギ付けになってみるほどのモノでもないし、
つけっぱなしのテレビの画面にいかに視聴者の目を向けさせるか、
そんな商売だと思ってますが。
変なもんを画面から流して一瞬でもお茶の間を刺激する、
刹那的ですが、そんなモチベーションで仕事していきたいです。
それと…日本のバラエティ番組って優秀じゃないですか?
高須さんの企画された『未来日記』もそうですが、
海外で日本の企画が評価されるのって素晴らしいと思うんですよ。
だから、言葉の通じない外人相手に何かテレビ番組作ってみたいですね。
もし、外人のスカウトが「うちの国で構成作家やらないか?」ってきたら、
僕、迷わずついて行きますもん。
あんまり夢のある話じゃなくてすいません(笑)
こんなんじゃ終われませんか? まだ中野さん状態ですか?
高須
大丈夫、いいシメがきたね(笑)。
いやいや偶然だけど……俺の今の目標はそれなのよ。
『未来日記』が、海外でどう評価されてるか、あまり知らないけど、
たしかに今、日本のテレビソフトって海外に引っ張りだこらしいよ。
同じウンナンのホントコの『二択恋愛』なんで、世界40ヶ国で放送されてるらしい。
日本じゃ評判良くなかったのにね(笑)。
だから、日本がダメでも海外じゃ大ヒットというものも確かにあると思うんだよね。
そんな世界的なテレビソフトを作りたい。
だって、「サバイバー」や「ミリオネア」なんて世界中でやってんだよ。
そこのクレジットに自分の名前が載るのって、最高だよね。
堀江
そうですよね。
御影湯堀江利幸の湯おしまい
「堀江さん、お忙しい中、岩盤破りなお話をありがとうございました!!」
おわり
放送作家
堀江利幸 さん
1968年8月16日生まれ 群馬県出身
中央大学理工学部数学科在学中より放送作家として活動を開始。
現在担当している番組は、『世界一受けたい授業』『ぐるナイ・ゴチになります!』『炎の体育会TV』『林先生が驚く初耳学』『プレバト!』『ペケポン』『真実解明トリックハンター』『ポンコツさまぁ~ず』…など。