高須

だけどさ、つくりものの番組ばかりやってて、大変なことない？
会議も台本もすごく時間かかるでしょ。頭、変になってこない？

渡辺

あー、最近はもう大丈夫ですね。
地獄は以前に一度あって、ぬけましたから(笑)。

高須

えっ、それ、いつの時期？

渡辺

ちょうど『笑う犬の発見』に、伊藤さんから呼ばれたときですね。
月曜『めちゃイケ』会議、火曜『笑う犬』1回め会議、水曜日『はねトび』会議、
木曜『笑う犬』2回め会議、っていうスケジュールになったんですよ。

高須

うわっ、ずっと会議でCX！　体がもたないよ、そんなの。

渡辺

そうなんですよ。半年はなんとか頑張ったんですけど、
これはもう体と精神がもたないってくらいに追い込まれて。
それで、伊藤さんに「ギャラを減らしてもらっていいから、
会議への参加を週1回にさせてください」ってお願いしたんですよ。
苦渋の選択だったけど、それしか方法がなくて。

高須

伊藤はショック受けただろうなぁ。

渡辺

「え～っ！」て言われましたね。
それで僕がお願いしたからかどうかは分からないんですが、
その後会議が週1回参加になったら、数字が落ち始めて
「うわー、申し訳ない」と思いました……。

高須

いや、だけど仕方ないよ、それは仕方ない。
体力がついてこないよ、そんなスケジュール。精神も削るしさぁ。

渡辺

そうなんですよね。つくりものってたくさん抱えられないんですよ。
その時期がホントにつくりものだらけでしんどかったです。

高須

俺だって、つくりもの会議と、自由な発想のバラエティ会議どっちに行く？
って言われたら自由な会議の方に行ってしまうよ。

渡辺

いや、誰だってそうですよ。しんどいのイヤですもん(笑)。

高須

自由会議の番組のほうが数こなせるし、頭もやわらかくできるからな。
なによりわいわい楽しいし。コントは好きなのよ。
好きなんだけど、考え出すと終わりがないからキツイ。
これが正解っていうのがコントにはないでしょ。

渡辺

そうですね、1つのフレーズにしてもどこまでも追求できますからね。

高須

こっちのほうがおもしろいんじゃないか、
いやいやこっちのセリフのほうが……ってやりだしたらキリがない。
どこにも正解がないから、
ギリギリまで追い込んでしまってつらくなっちゃう。

渡辺

だから僕『ワールドダウンタウン』で高須さんが毎回台本書いて、
四苦八苦してる姿はすごく嬉しかったですよ。
あー、高須さんでもこんな風にコント台本書いて苦しむのかーって(笑)。

高須

あれ、なんで俺が全部の台本を書くはめになったんだろう？
その流れが今でも分かってないぞ、俺は……(笑)。

渡辺

いや、あれはやっぱり高須さんの企画だし、ダウンタウンさんを主役にした
コントですから、そうそう僕らじゃ書けないですって。

高須

あんなワンシチュエーションで20話も書いたら、書くことなくなるよ！
チャダ（松井）、福原、石原、渡辺って、みんなコントを書ける作家が
集まってるのに、伊藤が「いや、高須さんが最終的には全部書いて……」って。
俺、途中で「この番組、はよ終われへんかなぁ～」と、心底思ってた(笑)。

渡辺

高須さんが書いたから、やっぱりダウンタウンさんがよく活きてたと思いますよ。
だから、あの番組おもしろかったんですよ。

高須

まぁ、苦しかったけどやってて楽しかったのは確かだなぁ。
また、新しいタイプのアレをやってやろうかと思っててね。

渡辺

お。それは続編ですか？

高須

いや、続編ではなくて、また外国人とダウンタウンを混ぜて
「番組コント」みたいなことができないかなーと。

渡辺

おもしろそうですね。

高須

少しずつ話は動いてるから、ちゃんと企画が通ったら、また教えるよ。