高須さんをして「片岡飛鳥の秘蔵っ子」と言わしめた渡辺さん。作家デビューのきっかけがフジテレビの番組だったこともあり、話は必然と『めちゃイケ』のウラ話へ。裏番組に視聴率を奪われて、瀕死だったところからの起死回生の1打となった「数取団」企画は、いかにして生まれたのか?おもしろさをとるべきか、それとも番組の生き残りを選んで妥協するか?放送作家ならではのツラく苦しいせめぎあいがあったというドキュメンタリートークは必見です。
取材・文/サガコ
インタビュー
第4話
2005.08僕、そんなにベタじゃないっすよ! 事件
高須
『とぶくすり』で作家デビューして、ひと段落してからはそのまま
『めちゃモテ』に入ったの?
渡辺
そうですね、『とぶくすり』の流れでそのまま。
高須
俺、『めちゃモテ』の途中から参加して、
それで一緒に仕事するようになったんだよね。
ああ、『渋谷系うらりんご』も一緒にやったっけ。
渡辺
あれもまた会議長かったですねぇ。飛鳥さんで(笑)。
高須
けっこうそうそうたるメンバーでやってたんよな、あれ。
ああ、なんか俺、思い出した。
渡辺がさ、北澤Dを通して俺にメッセージ残したの、覚えてる?
渡辺
えっ? 何の話ですか?
高須
あ、覚えてないんだね?
俺が番組の生放送終わってふらふらしてたらさ、
北澤が寄ってきて、
「高須さん、渡辺くんから伝言あずかってますよ」って言われて。
「へっ? なに?」って聞いたら
「『僕、そんなにベタじゃないんですよ!』って高須さんに言っといてくれって」
「……はぁ?」って(笑)。
渡辺
ええええっ!(笑)
僕、そんなこと言ったんですか!
高須
なんだろね、なんか会議中にやりとりがあったんだったっけかな?
渡辺がベタだっていうような発言があったのかどうか分からないけど、
とりあえず伝言するくらいなんだから、かなりの強い思いがあったのと違う?(笑)
渡辺
うわー、なんだろう。えー、そんなこと言ったっけな……。
うっわー、僕、若かったんだなぁ……(汗)。
それを聞いて、高須さんはどう感じたんですか?
高須
んー。生意気とかそういうのは全然思わなくて
「あ、そうかー」と思ったんだったかな。
単純におもしろかったというのもあるよね。
どんな伝言だよ、と(笑)。
なんか、番組の企画とか会議での立ち回りとかの部分で
思うところがあったんでしょ、きっと。
あの頃って、俺も渡辺も、周りのみんなも今よりずっと笑いの面で
とんがってた時代だし。
ベタはダメ! っていうのが、なんかあったのかもしれない。
渡辺
そんなこと覚えてくれてたんですねぇ。
高須
いやー、なかなか印象的だったんだよ。
あー、おもしろい作家がいるんだなぁって。
だからその後、渡辺にいろんな仕事持ちかけたでしょ?
渡辺
確かにすごくお世話になりました。
僕をフジから外の世界に紹介してくれたのも高須さんでしたし。
高須
『ウンナンのホントコ』とかね。
いや、俺は言っとくけど渡辺をベタだなんて、ちっとも思ったことないよ?
今も思ってないよ?(笑)
渡辺
……俺、当時何をそんなに熱くなってたんだろう……(笑)。あー、はずかしっ。
第5話へつづく
放送作家
渡辺真也 さん
45歳
1993年フジテレビとニッポン放送主催のテレビコント大賞で優勝
とぶくすりで放送作家デビュー、「笑っていいとも」「はねるのトびら」「クイズ☆タレント名鑑」「虎の門」「くりぃむンナントカ」を経て現在『めちゃイケ』、「バイキング(月曜日)」、「水曜日のダウンタウン」、「月曜から夜ふかし」(日「爆報theフライデー」「志村&鶴瓶のあぶない交遊録」などのレギュラー番組を担当