『元気が出るテレビ』の「放送作家予備校」出身作家として、やはり外せないのがテリー伊藤さんのお話。都築さんにもたっぷりテレビマンとしての伊藤さんの凄さを語っていただきつつ、映画撮りたいか否かというお話や、作家としての未来の話などを。そして、伝説の番組『完全人体張本』の話はやはりはずせません。とってもかっこいい赤ちゃんのちんちんトーク、見逃さないでください。
インタビュー
第3話
2000.12放送作家になったわけ
高須
都築くんも『元気が出るテレビ』の作家予備校出身なのは
知ってたけど、そーたにくんが予備校第一期で、そこからは
どれぐらい後輩にあたるの?
都築
僕は、ちょうどそーたにさんの三年後輩になります。
その第二期で今もやってるのは、僕、おち、村上の三人ですね。
高須
さあ、ここからは恒例の話題になるけども。
何で放送作家になろうと思ったの?
都築
僕は、まず中学二年ぐらいの時が漫才ブーム全盛期で、
どっぷりたけしさんに染まったんですね。
たけしさんって、日本で初めてこう、なんていうか、
「作家性」を感じさせるお笑いだったと思うんです。
プラスで、ラジオを聴けばたけしさんの後ろで堂々と笑ってる
誰かがいて、それが誰かといったら高田文夫さんで、
その人はじゃあ何なんだ、といったらそれが放送作家という職業で。
高須
うんうん。
都築
で、高校に入ってもたけしさんは好きで、「元気」とか
「ひょうきん族」を見続けていて、あ、こういうのを作るのが
放送作家って言う仕事なのかー、なりたいなぁ、と
それで初めて具体的に理解して思ったんでしたね。
それが高校二年生ぐらいだったかなぁ。
高須
ずいぶん早くから意識してたんやねー。
都築
高校二年って言ったら、もう自分の進路を決めなくちゃいけない
時期じゃないですか。
その時、僕は自分の進路を二つに絞ったんです。
一つは、東京の私学に受かったら、そこに通って放送作家を目指す、という。
僕は大阪出身なんですけど、放送作家になるにはやっぱり東京だろう、
東京しかないだろうと思ってましたから…。
高須
えっ、ちょ、ちょっと待って!!
都築くん、大阪なん!?
都築
そうですよ。
高須
そんなん、もっとはやく言っといてよ~。大阪ぁ? ええー?
都築
僕、生まれも育ちも大阪ですよ。
高須
全然大阪弁じゃないやんか!!
都築
あ、これはもうだから、たけしさんのラジオを聴き過ぎちゃって、
身についてしまったんですよ、こっちの喋り方が(笑)。
高須
全っ然分からんかった。
大阪のどこ出身なの?
都築
えーと、枚方です(笑)。
高須
うっそーん(笑)。
都築
思いっきり京阪ですね、ええ。
でも、関西弁は出なくなっちゃってるんですよね。
高須
うわー、全くそんなん思いもしなかった……。
竜ちゃん以来だ。
都築
竜ちゃんって?
高須
あ、ダチョウの竜ちゃん。彼は出身が神戸なんだよね。
都築
えっ!!知らなかった。
高須
神戸らしさの欠片もないから、俺も聴いた時はびっくりしたよ。
いや、でも今、それ以上の衝撃。
都築
僕の父親も母親も、バリバリの関西人ですよ。
実家も、もちろん関西ですし。
高須
いやー、嘘やぁ(笑)。関西の匂いがしない~!
高須
ひとしきり驚いたけど。それはそれとして。
とりあえず、進学を二つに絞ったと。
都築
そう、東京の大学に受かったら作家になろう。
で、もう一つは東京以外の国立大学に受かったら、そこに行って、
大学院まで行くのもいいかなぁ、とか思ってたんですね。
僕、意外と勉強も好きだったんですよ。
だから、そういうのもアリだろう、と。
高須
なるほど。えらく両極端な進路だったんだなぁ…。
都築
それで、結局浪人して受かったのは、東京の大学だったんです。
でも、一年浪人して受かった頃には、作家になることをすっかり
忘れてしまっていて、とりあえず大学行って、その大学をだんだん
休んで遊びほうけるのに必死になっちゃって。
もちろん土日の夜に家にいることなんて無いから、
テレビも必然的に見なくなっていっちゃったんですね。
そしたら、たまたま大学二年の頃に久しぶりに「元気」を見たんですよ。
番組自体はもう終わりかけの時間で、「放送作家になりたい人募集」って
出てるのを見て、
「あ、そういえば俺は放送作家になりたかったんだなぁ」と
その時にやっと思い出して、年賀状の余りハガキで応募したんですよ。
なんか、頭悪~い感じで「放送作家になりたいです」とか
バカみたいに素直に書いちゃって(笑)。
高須
やる気無い感じで(笑)。
で、例のオーディションになってくわけでしょ?
おちくんや村上くんにも訊いたけど、その時に出したネタって覚えてる?
都築
いくつか覚えてますよ。
高須
二人とも、言いたくないって言ってたけどね(笑)。
都築
いや、俺も絶対言いませんからねっ(笑)。
高須
それは破天荒な企画だったの? それとも案外ベタだったの?
都築
ん~…どうだったでしょう。
でもね、僕はその一回目のネタを持っていくオーディションの時は、
ネタ考えるのに前日徹夜したんですよ。4つ持って行ったんですけど、
その4つのカラーをいろいろ考えたりして、小狡くやってましたよ(笑)。
二つめぐらいに実際に出来そうなのを入れとこう、とかって。
したら、翌日現場では、その二つめが
「うーん、これはちょっとできそうすぎてダメだよ~」って
批判の対象になったりして。
一個目に並べたネタは、自分が一番おもしろいと思った、シュールなのを
持ってきてたりしましたね。
高須
えっ、それはどんなの?
都築
いやいや、だから、それは言えないです!!絶対言えないっす!!
恥ずかしいですもん!!
高須
そりゃ、発表したくないよねぇ~、やっぱりね(笑)。
都築
で、そんなこんなでオーディションを通過したら事務所に呼ばれて、伊藤さんに
「君たちは今日からロコモーション所属の「元気」の作家だから」と言われて、
「こっちがお前らの先輩」と紹介されたんですね。
その時、まず目がいった先輩って言うのは、
やっぱりそーたにさんでした(笑)。
高須
わかる(笑)。
都築
なんか明らかに怪しい人が一人いるなぁ~、って(笑)。
で、伊藤さんが「後輩になんか一言」って先輩達に促したら、
「大学のサークルみたいに、割とラフにやってもらっていいからねー」とか
そういう言葉をみんながかけてくださる中で、そーたにさんだけが
「そんな甘い世界じゃないっ!!」って一人で怒鳴りだして(笑)。
高須
うわっはははは!!やっぱりすごいな、そーたにくんらしい!!(笑)
都築
ホントに異彩を放ってるってこの人のことだ、と思いましたね。
怖かったし(笑)。
高須
いやぁ、そーたにくんは普段すっごい普通なのに、
どっか一つたがが外れると、もう突如として無茶苦茶になるよね。
おもろいわ。(笑)
都築
下手したら捕まっちゃいそうな勢いの一瞬がある人ですよ。すごいです。
高須
しかし、やっぱり東京で気になる作家といえば
「おち・都築・そーたに」って思ってた時期があったわけだよね、俺には。
それぐらい、いい意味でキチガイな事を考えられる作家を複数発掘してる
伊藤さんってすごいよなぁ、とも思ってたし。
俺、『完全人体張本』とかキチガイやなぁ、と思ったもん。
都築
ああ、あれは…(苦笑)。
高須
俺、まだ覚えてるもん。
男の子の赤ちゃんが裸で、ずっとにこにこしてるヤツ。
都築
あ、それ高須さんどっかの廊下ですれ違った時にも
声かけてくださったんですよ。
「見た。あれはあかんわ~」って(笑)。
高須
だってあれはあかんって。
深夜なんだけど、男の子の赤ちゃんがな、ずっとじゃれてはしゃいでるのよ。
素っ裸だけど赤ちゃんだし、かわいいねん。
でも、明らかにチンチンの皮が剥けてんねん(笑)。
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たいへんだ(笑)。
都築
すげーかわいい黒人の赤ちゃんなんだけど、カメラがパーンダウンして
腰から下を映すと、割礼が終わってる(笑)。
でも、綺麗に映していい。赤ちゃんだから。
そして、バックにはマイケル・ジャクソンの曲がかかってるっていう(笑)。
高須
アレは笑ったなぁ、たまらんかった。
だって上半身は子供で、チンチンだけオッサン顔負けなんだもん。
アレで、よく放送できたよなぁ(笑)。
都築
近藤サトさんと美しくじゃれあう赤ちゃんの画。
でも、剥けてる。0歳児なのに、剥けてる。(笑)
高須
アレはすごかった。ホントにすごかった。
第4話へつづく
放送作家
都築浩 さん
大阪府出身。1967年2月3日生まれ。早稲田大学理工学部除籍。
20歳の時、『天才たけしの元気が出るテレビ』で放送作家デビュー。
以降、『進め!電波少年』『ASAYAN』『学校へ行こう!』『笑っていいとも!』などを手掛ける。
好きな食べ物:センマイ刺し
現在の担当番組
『中居正広の金曜日のスマたちへ』
『ぴったんこカン・カン』
『あさチャン!』
『がっちりマンデー!』
『しゃべくり007』
『ニノさん』
『NEWSZERO』
『メレンゲの気持ち』
『SmaSTAION!!』
『夏目と右腕』
『関ジャム完全燃SHOW』など