御影屋

高須光聖がキク「高須光聖×三木聡」 第5話

『ごっつえぇ感じ』などでさまざまな企画を共に手がけてきた2人。その後、三木さんは映画監督として数々の作品を手がけられるようになりました。二人がコントや企画、舞台で「くだらないこと」に全力を傾ける姿勢の中にも、じつは色気があるとかないとかで細分化されるカラーの違いがありました。そして「一万円ライブ」のウラ話など、『ごっつ』世代にはたまらないトークが満載だった一夜のレポートです。

インタビュー

第4話

2001.01

高須光聖がキク「高須光聖×三木聡」

舞台という世界

高須

三木さんが初めてシティーボーイズを演出したのは、何歳の頃?

三木

26か、27歳ぐらいだったかな。

高須

やっぱりそれは若くて、すごいよなぁ。

三木

いや、それは何もしてなかったんだって。
元々、シティーボーイズ自体が何でもできるチカラのある集団だったから。

高須

いや、でももうその頃から「三木聡の世界」ってものはあって、
確実に滲みだしてたもん。
『松本人志一万円ライブ』の時に三木さんがその構成で
参加するっていうことになって、そうしたらお客さんの反応がすごかった。
見たお客さんが、アンケートの感想に
「三木聡ワールドがうまく松本人志と調和してた」とかって
結構書かれていて、俺は「ああやっぱりすごいなぁ」って思ったもの。
シティーボーイズファンとダウンタウンファンがかぶってる、
ていうのもあったんやろうけどね。三木さんが関わったことによって、
そこの融合が果たされた気がしたのと違うかなぁ。
しかもそれが全然嫌味ではなく、ね。

三木

でも、俺あの時何にもしてなかったよ?(笑)
ぼーっとしてただけだったもん。

高須

そんなことないよ~。十分力になってたよ。
俺は三木さんが居てくれたからこそ、
あのライブがあそこまでのものになったと思ってるし。

三木

いや、俺は俺で高須くんの書くものに魅力を感じるんだよね。
何て言うか、書くものに「色気」があるじゃない?

高須

何やそれ(笑)?色気?

三木

そう。俺の書くものには色気がないんだよなあ。

高須

色気なんて、別に意識してないよ?

三木

いや、無意識なんだろうけど、なんか艶っぽいっていうか、
色っぽいっていうかね。テレビの企画にしてもそうじゃん。
俺の考えるものには色気が全く感じられない(笑)。

高須

そうかなぁ?(笑)

三木

最近ずっと思うんだよ。
「高須くんの書くものには色気があって、
俺の書くものには色気がないって思うんだけど、どう?」って訊いたら、
うちのかみさんも「そうね」っつって納得してたもん。

高須

いや、でもね。こんな誉めあってても仕方ないとは
分かっていても、それでも言うけど。
俺は「東京の放送作家」と言えば、まず一番最初に
「三木聡」って思い浮かべてたよ。

三木

何言ってんだよ、全然大したことないって(笑)。
最近はもう、どうも小ネタの仕事が多くてさぁ(爆笑)。

高須

いや、でもそれは格好いいって!! 三木さんのかっこよさだって!!(笑)

三木

かっこいいもへったくれもないってば~!!
未だに白い紙広げたら、左隅に丸印書いて小ネタを一行……
なんて書いてるんだぜ? 40歳近いのに(笑)。

高須

またその小ネタの仕事をしてるんだよーってことを
三木さんが楽しそうにこうやって言ってくれてさぁ、更に楽しそうに
「その小ネタがまた最近、ちょくちょく滑るんだよねぇ」って
言っちゃうところがね、俺は格好ええなぁと心底思うのよなぁ~。

三木

若い頃はね、もう少し当たってたんだよ、俺。
こんなに滑る俺じゃなかったんだけどなぁ~、って(笑)。

第5話へつづく

放送作家

三木聡 さん

神奈川県横浜市出身の放送作家・映画監督。
他にもヘビナ演術協会やシティボーイズライブ等の脚本・演出。

テレビドラマ
・世にも奇妙な物語第3シリーズ「顔」(1992年、フジテレビ)脚本
・留萌交番日記'95春(1995年、北海道テレビ)脚本
・優香座シネマ「お湯は意外とすぐに沸く」(2002年、テレビ朝日)脚本・演出
・演技者。「いい感じに電気が消える家」(2003年、フジテレビ)脚本・演出
・68FILMS東京少女#6「臭いものには蓋の日」(2004年、BS-i・BSフジ)脚本・演出
・時効警察(2006年、テレビ朝日)脚本・演出
・帰ってきた時効警察(2007年、テレビ朝日)脚本・演出
・週刊真木よう子「チー子とカモメ」(2008年、テレビ東京)脚本・演出
・トンスラ第1話(2008年、日本テレビ)脚本・演出
・熱海の捜査官(2010年、テレビ朝日)脚本・演出
・変身インタビュアーの憂鬱(2013年、TBS)

映画
・シティボーイズライブ短編映画「まぬけの殻」(2000年)監督・脚本
・イン・ザ・プール(2005年)監督・脚本
・亀は意外と速く泳ぐ(2005年)監督・脚本
・ダメジン(2006年)監督・企画・脚本※撮影は2002年
・図鑑に載ってない虫(2007年)監督・原作・脚本
・転々(2007年)監督・脚本
・インスタント沼(2009年)監督・脚本
・俺俺(2013年)監督・脚本

舞台演出
・シティボーイズライブ「さまよえるオランダ人」(1989年)
・シティボーイズライブ「サイパン」(1989年)
・シティボーイズライブ「ワニの民」(1990年)
・シティボーイズライブ「14Cの記憶」(1991年)
・シティボーイズライブ「鍵のないトイレ」(1992年)
・シティボーイズライブ「愚者の代弁者、西へ」(1993年)
・シティボーイズライブ「ゴム脳市場」(1994年)
・シティボーイズライブ「愚者の代弁者、うっかり東へ」(1995年)
・シティボーイズライブ「丈夫な足場」(1996年)
・シティボーイズライブ「NOTFOUND 見つかりませんでした」(1997年)
・シティボーイズライブ「真空報告官(P)」(1998年)
・シティボーイズライブ「真空報告官大運動会」(1998年) 渋谷公会堂
・シティボーイズライブ「夏への無意識」(1999年)
・シティボーイズライブ「ウルトラシオシオハイミナール」(2000年)
インターネットドラマ
・インターネットドラマ「φ」(2002年)脚本・演出
・グンゼ「ベランダ」(2008年)脚本・演出

これまで担当した番組
・夕やけニャンニャン(フジテレビ)
・世界で一番くだらない番組(フジテレビ)
・タモリ倶楽部(テレビ朝日)
・ダウンタウンのごっつええ感じ(フジテレビ)
・笑う犬シリーズ(フジテレビ)
・TV'sHIGH(フジテレビ)
・北半球で一番くだらない番組(フジテレビ)
・トリビアの泉〜素晴らしきムダ知識〜(フジテレビ)ブレーン担当
・ヨルタモリ(フジテレビ)

著書
・『インスタント沼』角川書店(2009年4月25日、ISBN978-4048739429) 装画 逆柱いみり
・三木聡ほか著『帰ってきた時効警察』角川書店(2007年6月ISBN978-4048737821)-第2シリーズのノベライズ。
・『帰ってきた時効警察オフィシャル本』太田出版(2007年6月9日、ISBN978-4778310677)
・『図鑑に載ってない虫『』幻冬舎(2007年4月、ISBN978-4344013179)

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